高崎だるま 目の入れ方

だるまの目入れを開眼(かいげん)と言います。
開眼とは「無い目玉を描き入れる」行為ではなく、高崎だるまに魂を入れる「心の目の開眼を表現した」ことです。

では開眼(かいげん)するのはいつ?右から?左から?

結論から言うと開眼(かいげん)は、“なるべく早めに、片目でも両目でも右からでも左からでも正解です。

それではスッキリしないので説明いたします。

まずは、“それぞれの想いによって開眼(かいげん)のタイミングや両目・片目・左右のどちらからの順番が変わる”そこを説明しておきましょう

厄除けの意味合いなら両目がおススメ!

赤は魔除け効果!力強い両目で厄払い! 鶴は千年亀は万年!

だるまが庶民に飾られるようになったきっかけの一つに当時、「天然痘(てんねんとう)」という感染症の病気が流行し死亡率も高く失明や皮膚の全身に水ぶくれができるなど大変怖い病気に対して不安感を解消するために厄除けを目的とした縁起物としてだるまを飾るようになったと言われています

赤は魔除け効果とされ、だるまの目はとても力強く高崎だるまの特徴の眉は鶴・ひげは亀と長生きの象徴として「天然痘」に対して「失明」や「病気にかからないように」と考えられていました。

現在でも家内安全・無病息災・交通安全・病気平癒・身体健勝・災難消除など厄除けの意味あいが強い場合は、ご購入後なるべく早めに左右どちらからでも良いので両目入れて飾るのがおススメです。大安や先勝などの吉日に目を入れるのも良いでしょう。もちろん両目でなく片目を開眼(かいげん)して一年の最後に無事であったことに感謝し「有難う」と心を込めてもう一方の片目を開眼(かいげん)することも良いとされます。

力強い両目で厄を追い払い!当時は天然痘に対する厄除けとして両目に瞳が入った状態で売られておりました。

祈願成就なら片目ずつがおススメ

左目(向かい合って右側の目)を開眼

選挙に当選・試験に合格・試合など必勝など祈願し目標を達成したらもう片方の目を入れる風習は定着しています。
このように片目ずつ目を入れる風習は選挙だるまがルーツと言われています。選挙だるまの始まりは昭和30年以降ですから長いだるまの歴史的背景からみるとごく最近のこととなります。
高崎だるまは、向かって右側の左の眼から入れるのが正しいとされております。これは、「右に出る者はいない」という言葉があるように、座席の位置は左側が上位とされることに起因している説もありますが、実は順序に決まりはありません。

開眼(かいげん)はなるべく早めが良いとされます。年度始め・仕事始め・吉日などを選んで開眼(かいげん)されると良いでしょう。

祈願成就に関しましては、近年だるまの染料も進化し赤以外にカラフルな色だるまも製造され、それぞれの色の持つ意味と祈願成就とマッチさることもダルマ購入の楽しみとも言えるでしょう

開眼する人のそれぞれの想いでタイミングや両目・片目ずつ・左右どちらからでも良いわけですね

寿なら両目目がおススメ

両目を入れて飾るのをお薦めいたします。選挙当選や受験合格など願掛けとして片目を入れ目標達成後にもう片目を入れる風習がございますが、寿だるまは良い日を選んで両目を開眼しダルマさんにもしっかり見てもらう事も夫婦円満の秘訣とも言われていいます。

披露宴などで
向かって右目を新郎さん
向かって左目を新婦さん
が目入れするなどいかがでしょうか

 

仲の良いご夫婦も時には喧嘩くらいはあります。

「ほらダルマさんが見てるよ」

なんて会話もあるかもしれないですね。

開眼は筆?ペン?油性?水性?

こちらについては特に決まりはございません。まずは中心に小さな点を入れ広げるように開眼する風習もありますが、輪郭を決めてからでも良いでしょう。
昔は墨汁(ぼくじゅう)などで筆入れすることも多かったのですが、墨汁は粘度がゆるいため乾かないうちに動かすとお顔に垂れ落ちてしまう事がよくありました。
近年では油性や水性のペイントマーカーシリーズやホームセンターなどで売られている塗料を使ってで開眼されている方が多いようです。
油性マジックは見る角度によりテカリが出ます。ムラもできやすく少し紺色になる場合があります。


水性塗料の場合は乾いた後に上塗りがしやすいので綺麗に開眼できます。
個人的には(艶消し)水性ブラック塗料がお勧めです。